メディアが教えない体幹と腹腔内圧のメカニズム

腹圧が小さくなる事でインナーユニットの機能も低下し、 腹腔内の臓器が前方に移動するのが、ポッコリお腹のメカニズム

 

さて、ここまででスイング軸となる体幹部の機能の重要性について
お話ししてきました。

ここまでは既存のメディアさんなどでも
とりあげられている内容かと思いますが、

ここですぐに雑誌やメディアのいう通りのエクササイズ、トレーニングを行っても
残念ながら期待する効果がでることはほぼありません。

 

なぜなら、体幹機能を強化、回復するうえで
理解しておかなければいけない人体と体幹のメカニズムがあり、

そのメカニズムを知っていなければ、ただ単に時間を浪費して
身体を動かしているにすぎず、トレーニングとして成立しないからです。

既存のメディアにおいて、これらのメカニズムについて言及されているのは、
未だかつて見たことがありません。

今後のトレーニング効果を最大限に向上させるためにも
ぜひ、これらのメカニズムについて正しい知識を身に付けておいてください。

 

腹圧とは

 

骨格のページでも述べたように、人体は骨格により支えられていますが、
胃や腸などの臓器が収められている腹部は骨格で守られていません。

それなのにお腹の中の臓器が押し潰されることなく、
働いているのはなぜでしょうか?
それは、私たちのお腹にある内臓の多くは腹膜と呼ばれる袋の中に入っており、
この袋の中で内臓が正常に働く必要があります。

そのため、内臓の位置を正確に保つために
一定の圧力がお腹の中の腹膜という袋に加わっています。

この圧力のことを腹圧(腹腔内圧)と言います。

また、腹圧を適切に保つためにお腹全体を包み込むように、
腹横筋、横隔膜、骨盤底筋群などのインナーユニットが存在します。

つまり、インナーユニットは腹圧を一定に保つとともに、
体の軸として私たちの体を支えて姿勢を作り出す働きをしています。

 

スイング軸となる体幹と腹圧の関係とは

 

前述のとおり、私たちの体は体幹部のインナーマッスル(インナーユニット)と、
それが作り出す腹圧により支えられることで、

体幹が体の軸としての機能を発揮して、姿勢を維持することができています。
しかしながら、ご存じのとおり

現代の生活様式により運動機会が劇的に減ってしまっただけでなく、
体幹部の筋力は10代をピークに下降してしまうことから、
現代の人のインナーユニットは本来の機能を発揮することができていません。

つまり、インナーユニットの機能が低下すると同時に
臓器を収める袋の中の圧力=腹圧も弱くなり、
姿勢を適切に保持することが困難となるため、

慢性的に不良姿勢を繰り返すことを余儀なくされるというわけです。

また、アウターマッスルのページでも述べたように、
アウターマッスルは弱化したインナーマッスルの機能を補完する働きがあります。

つまり腹圧やインナーユニットの筋力が弱くなることで、

体幹部の外側にある筋肉(アウターマッスル)に
『体を支える』という本来の機能外の役割を強制してしまい、
甚大なダメージを与えます。

この現象が、一般的な腰痛の大きな原因の一つになっているのですが
このような状態でゴルフスイングのような負荷の大きな動作を続けることが、
どれだけ危険なことかをご理解いただけるかと思います。

さらには、インナーユニットには内臓を正しい位置に収める
コルセットのような役割がありますが、

インナーユニットの機能低下により
腹腔という袋の中で内臓を正常な位置に保持できなくなり、
内臓は前方にずれるように位置することになってしまいます。

いわゆる、お腹ポッコリの状態です。

腹圧が小さくなる事でインナーユニットの機能も低下し、 腹腔内の臓器が前方に移動するのが、ポッコリお腹のメカニズム
内臓が前方にずれることで重心も前方にずれてしまいます。
そして、姿勢も前傾してしまい、猫背になります。

これが猫背のメカニズムです。
アドレス時の姿勢で背中が丸まった状態は、
可動域の不足、パワーロスなどのデメリットであることは、
多くのゴルファーには既知の事実かと思います。

総じて、理想的なゴルフスイングを追求する場合、
私たちが現代の便利な生活と引き換えに失ってしまった、
体幹部の機能、特に姿勢保持能力などの
からだ本来のはたらきを何らかの方法で取り戻さなければいけません。

しかし、体幹の筋力のみで
正しい姿勢や最適な腹圧を保つことはできません。

なぜなら、腹圧は体幹の筋力以外に、
自身の姿勢や呼吸によっても大きく変わってしまうからです。

つまり、最適な腹圧を保持するためには、
体幹の筋力以外に正しい姿勢と呼吸が不可欠であり、

理想的なゴルフスイングを追求するためには、
正しい姿勢と呼吸の在り方についても考慮されたトレーニング
エクササイズを行う必要があります。

 

正しい呼吸と腹圧の関係とは

体幹を形成している横隔膜は息を吸う時に作用し、 腹横筋は息を吐くときに作用することで腹圧をコントロールしています。

 

体幹を形成している横隔膜は息を吸う時に作用し、
腹横筋は息を吐くときに作用することで腹圧をコントロールしています。

体幹部のトレーニングを行う際には、呼吸を止めず、一定範囲の腹圧を
維持しながらトレーニングすることで、その効果が向上します。

また、インナーマッスルのトレーニングを行う際の呼吸の方法については、
『腹式呼吸』『胸式呼吸』などがありますが、
インナーマッスルの強化には、両者をコントロールする必要があります。

腹式呼吸

 

息を吐いてお腹を引っ込めて、息を吸ってお腹を膨らませることで、
横隔膜を上下させて肺に空気を出し入れする呼吸方法が
この腹式呼吸になります。

横隔膜を大きく上下させることで、深い呼吸が可能になります。

また、横隔膜は胸部と腹部を隔てる壁としての機能もあるため、
深い呼吸で横隔膜を大きく動かすことで、
内臓や神経をおさめている腹腔内の臓器へのマッサージにもなります。

 

胸式呼吸

 

一方、胸式呼吸は腹横筋トレーニングの際に重要です。

腹横筋が本来持つ、コルセットとしての機能を取り戻し、
腹圧をあげて正しい姿勢を維持するには
腹横筋が収縮した状態を維持する必要があり、

その状態で呼吸を行うには、胸式呼吸をするしかありません。

 

人体と体幹のメカニズムに沿った理想のスイング構築法とは?

 

これまで身体で打つゴルフスイングを啓蒙するために、
体幹とゴルフの相関について語る雑誌はいくつか出ていましたが、

そのメカニズム自体を解説するものや、
人体や体幹のメカニズムに沿ったスイング構築法を教示するものは
私が知る限りゼロです。

人体や体幹のメカニズムは、あらゆる動作における原理原則であり、
この原則、本質を理解することで
身体を意識しながらトレーニングを行うことが可能になり、

一見遠回りのようであっても、基礎、土台を構築しながら
肩、肘、膝など体幹以外の部位に
必要なトレーニングを行うことが可能となるため、

必然的に効果的なスイング構築トレーニングが可能になります。

では実際にどのような流れでトレーニングを進めていくかを
次ページにて解説いたします。

 

腹圧が小さくなる事でインナーユニットの機能も低下し、 腹腔内の臓器が前方に移動するのが、ポッコリお腹のメカニズム

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